3Dプリンターを使うときに必要になるのが、造形物を作るための材料です。FDM方式の家庭用3Dプリンターでは、主に「フィラメント」と呼ばれる樹脂素材を使います。
フィラメントには、PLA、PETG、ABS、TPUなどいくつかの種類があります。それぞれ印刷のしやすさ、強度、耐熱性、におい、仕上がりが異なるため、作りたいものに合わせて選ぶことが大切です。
初心者の場合、最初から難しい素材を選ぶと、印刷に失敗しやすくなったり、設定でつまずいたりすることがあります。まずは扱いやすい素材から始めて、慣れてから用途に合わせて素材を増やしていくのがおすすめです。
この記事では、3Dプリンターの材料・フィラメントの種類を初心者向けにわかりやすく解説します。PLA、PETG、ABSの違いや、素材選びで失敗しないポイントを紹介します。
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3Dプリンターの材料とは?
3Dプリンターの材料とは、立体物を作るために使う素材のことです。家庭用でよく使われるFDM方式では、細いひも状の樹脂であるフィラメントを本体にセットして使います。
フィラメントは、3Dプリンターのノズルで熱を加えて溶かされ、少しずつ積み重ねられて形になります。紙のプリンターでいうインクのような役割ですが、3Dプリンターでは材料そのものが造形物になります。
素材によって、印刷のしやすさや完成品の性質が変わります。たとえば、扱いやすい素材もあれば、強度や耐熱性に優れる反面、印刷が難しい素材もあります。
そのため、3Dプリンターを選ぶときだけでなく、フィラメント選びも重要なポイントになります。
初心者はまずPLAから始めるのがおすすめ
初心者が最初に使う素材としておすすめされやすいのが、PLAフィラメントです。PLAは比較的印刷しやすく、家庭用3Dプリンターでも扱いやすい素材です。
これからPLAフィラメントを用意する場合は、まずは一般的な1.75mm・1kgタイプから選ぶと失敗しにくいです。
3Dプリンターを初めて使う場合は、まずPLA系フィラメントから始めると扱いやすいです。1.75mm・1kgタイプは対応機種も多く、練習用や小物づくりにも使いやすい定番サイズです。
PLAは反りが少なく、印刷失敗が起きにくい傾向があります。小物、収納グッズ、飾り物、試作品、簡単なパーツなど、幅広い用途に使えます。
また、ABSなどと比べると、印刷時のにおいが少ない点も初心者にとって扱いやすいポイントです。ただし、高温になる場所や強い力がかかる用途には向かない場合があります。
まず3Dプリンターの基本操作に慣れたい場合は、PLAから始めると失敗しにくく、素材選びで迷いにくくなります。
PLA・PETG・ABSの違い
代表的なフィラメントの違い
初心者向け。印刷しやすく、小物・試作品・飾り物に使いやすい。
PLAより粘りや耐久性があり、実用品やパーツ作成に向きやすい。
強度や耐熱性に優れるが、反りやにおいが出やすく、扱いはやや難しい。
PLA、PETG、ABSは、FDM方式の3Dプリンターでよく使われる代表的な素材です。初心者は、まずPLAを基準にして、用途に応じてPETGやABSを検討すると選びやすくなります。
実用品や少し耐久性が必要なものを作りたい場合は、PETGが候補になります。PLAよりも粘りがあり、割れにくい造形物を作りやすい素材です。
ABSは強度や耐熱性に優れる素材ですが、反りやすく、印刷中のにおいや換気の問題もあります。初心者が最初から扱う素材としては、やや難易度が高いです。
PLAの特徴
PLAは、家庭用3Dプリンターで最も始めやすい素材のひとつです。印刷設定が比較的簡単で、造形中の反りも少ないため、初心者でも扱いやすい傾向があります。
スマホスタンド、ケーブルホルダー、ペン立て、収納パーツ、模型、試作品など、幅広い用途に使えます。3Dプリンターの練習用としても向いています。
一方で、耐熱性は高くありません。夏場の車内や、熱がこもる場所で使うものには向かない場合があります。また、強い衝撃や曲げが加わる用途では割れやすいこともあります。
「まずは3Dプリンターで何か作ってみたい」という初心者には、PLAが扱いやすい選択肢になります。
PETGの特徴
PETGは、PLAよりも粘りがあり、耐久性を求める実用品に使いやすい素材です。割れにくさやしなやかさがあるため、簡単なパーツや工具周りの補助部品にも向いています。
PLAに慣れてきた後、もう少し実用性の高いものを作りたい場合に検討しやすい素材です。屋内で使う収納部品や固定パーツなどにも使われます。
ただし、PLAよりも印刷設定が少し難しい場合があります。糸引きが出やすかったり、ベッドへの定着が強すぎたりすることもあります。
初心者がいきなりPETGから始めるより、まずPLAで基本を覚えてから挑戦すると扱いやすくなります。
ABSの特徴
ABSは、強度や耐熱性を重視したい場合に使われる素材です。実用品やパーツ用途で使われることもあります。
ただし、家庭用3DプリンターでABSを扱うには注意が必要です。印刷中に反りやすく、造形物が途中で浮いてしまうことがあります。また、印刷中のにおいも出やすいため、換気できる環境が必要です。
ABSを安定して印刷するには、ヒートベッドや庫内温度の管理が重要になります。プリンター本体の構造によっては、うまく印刷しにくい場合もあります。
初心者は、最初からABSを選ぶよりも、PLAやPETGで経験を積んでから試す方が安心です。
TPUや特殊フィラメントもある
フィラメントには、PLA、PETG、ABS以外にもさまざまな種類があります。代表的なものとして、柔らかいTPUフィラメントがあります。
TPUはゴムのような柔軟性がある素材で、ケース、クッション材、滑り止め、保護パーツなどに使われることがあります。ただし、柔らかい分、印刷設定やプリンターとの相性が重要になります。
そのほか、木材風、金属風、カーボン配合、透明タイプなど、見た目や性能に特徴のある特殊フィラメントもあります。
特殊フィラメントは魅力的ですが、初心者が最初に選ぶ素材としては難しい場合があります。まずは標準的なPLAで印刷に慣れてから試すのがおすすめです。
レジンタイプの材料について
光造形方式の3Dプリンターでは、フィラメントではなく液体レジンを使います。レジンは細かい造形に向いており、フィギュア、ミニチュア、模型パーツなどで使われることがあります。
レジンは高精細な造形ができる一方で、取り扱いには注意が必要です。手袋、換気、洗浄、二次硬化、廃液処理など、FDM方式とは違う作業が発生します。
また、液体レジンが肌に直接触れないようにするなど、安全対策も重要です。作業スペースを確保し、使用後の清掃まで含めて考える必要があります。
初心者がレジンタイプを選ぶ場合は、本体価格だけでなく、作業環境と後処理の手間も確認しておきましょう。
フィラメント選びで確認したいポイント
材料選びのチェックポイント
- 自分の3Dプリンターに対応している素材か
- ノズル温度・ベッド温度の範囲に合っているか
- 作りたいものに必要な強度や耐熱性があるか
- 家庭で安全に扱える素材か
- におい・換気・保管方法に問題がないか
フィラメントを選ぶときは、まず自分の3Dプリンターがその素材に対応しているか確認しましょう。すべてのプリンターが、すべての素材を問題なく扱えるわけではありません。
また、素材ごとに推奨されるノズル温度やベッド温度があります。プリンター側が必要な温度に対応していない場合、うまく印刷できないことがあります。
作りたいものに合わせて、印刷しやすさ、強度、耐熱性、柔軟性、安全性を確認することが大切です。
フィラメントの保管方法にも注意
フィラメントは、保管方法も重要です。素材によっては湿気を吸いやすく、湿気を含むと印刷品質が落ちることがあります。
湿気を吸ったフィラメントを使うと、印刷中にプチプチと音がしたり、表面が荒れたり、糸引きが増えたりする場合があります。
保管するときは、密閉できる袋やケースに入れ、乾燥剤と一緒に保管すると安心です。長期間使わないフィラメントは、出しっぱなしにしない方がよいでしょう。
3Dプリンター本体だけでなく、材料の保管環境も整えることで、印刷失敗を減らしやすくなります。
商用利用や販売で使う場合の注意点
3Dプリンターで作ったものを販売する場合は、素材選びだけでなく、安全性や品質管理も重要になります。壊れやすい素材や、用途に合わない素材を使うと、トラブルにつながる可能性があります。
また、食品に直接触れるもの、肌に長時間触れるもの、子どもが使うもの、強い力がかかる部品などは、特に慎重に判断しましょう。
販売を考える場合は、3Dデータのライセンスや著作権、商標権の確認も必要です。他人が作ったデータをそのまま使う場合、商用利用が許可されていないことがあります。
副業として3Dプリント作品を扱うなら、素材の性質、利用条件、品質チェックを含めて準備することが大切です。
初心者におすすめの素材の選び方
用途別の素材選び
PLAがおすすめ。印刷しやすく、失敗しにくい。
PETGを検討。PLAより耐久性を求めたい場合に向いている。
ABSなどが候補。ただし、換気や印刷環境に注意が必要。
光造形レジンも候補。高精細だが後処理と安全対策が必要。
初心者は、まずPLAで基本的な印刷に慣れるのがおすすめです。PLAで小物や簡単なパーツを作りながら、3Dプリンターの操作や失敗しやすいポイントを覚えていくとよいでしょう。
慣れてきたら、実用品向けにPETG、耐熱性が必要な用途にABS、柔らかさが必要な用途にTPUなど、目的に合わせて素材を増やしていくと活用範囲が広がります。
最初から多くの素材を揃える必要はありません。まずは使いやすい素材をひとつ選び、印刷に慣れることが大切です。
まとめ:初心者はPLAから始めて、用途に合わせて素材を選ぼう
3Dプリンターの材料には、PLA、PETG、ABS、TPU、レジンなどさまざまな種類があります。それぞれ印刷のしやすさ、強度、耐熱性、柔軟性、仕上がりが異なります。
初心者が最初に使うなら、扱いやすいPLAがおすすめです。小物や試作品、収納グッズなどを作りながら、3Dプリンターの基本を覚えやすい素材です。
実用品を作りたい場合はPETG、耐熱性を重視する場合はABS、柔らかいものを作りたい場合はTPU、細かい造形をしたい場合はレジンも候補になります。ただし、素材によって難易度や安全対策が変わります。
3Dプリンターを長く楽しむためには、作りたいものに合った材料を選ぶことが大切です。まずはPLAから始めて、慣れてきたら用途に合わせて素材を広げていきましょう。
3Dプリンターの材料選びで迷ったら
初心者は、まず扱いやすいPLAフィラメントから始めるのがおすすめです。慣れてきたら、作りたいものに合わせてPETGやABSなども検討しましょう。
AIガジェットラボでは、3Dプリンターの選び方や材料の違い、初心者向けの使い方をわかりやすく紹介していきます。

